伊勢だより復活せず
●本日より赤福の販売が再開されたらしい。都内ではまだ買えないのかな。紙モノ蒐集家として気になるのは「伊勢だより」がどうなったかと云う一点だ。
●赤福を買うと、一箱に一枚、季節の風物を描いた「伊勢だより」なる紙片が入っていたものだった。此れは京都の版画家、徳力富吉郎氏の版画作品を印刷した横長の栞で、三百六十六日、毎日日替わりで差し替えられる紙片なのであった。表に版画の絵柄、裏には歳時記よろしく風物詩が書かれている。日替りであるから、全種類コレを集めようとすると、一年三百六十六日、赤福を毎日買い続けなくてはならない事になる。完集は大変なのだ。一日買い逃して仕舞うと、一年後まで入手の機会を待たねばならない。
●そんな「伊勢だより」、コレクターが実際いるのだろうか。実はいるらしい。もう十年以上前に、何らかの書籍でそんな人について書かれた文章を読んだ記憶がある。家族で毎日赤福を食べ続けて、しまいには体に不調をきたした、などと云う事が書かれていた様に思う。
●それだけではない。或る時私は、静岡だったか愛知だったかの骨董品店から、古い紙モノの何がしかを、ネットを介して購入した事があった。箸袋だったか、古絵葉書だったか忘れて了ったが、其の時、おまけとして、赤福の「伊勢だより」ひと束がサービスされて来たのだ。向うが勝手に同封してくれたのである。何時の年のものかは分からなかったが、一月一日から三十一日までの、一月分の「伊勢だより」ひと揃いを、其の時私はおまけとして頂戴したと云う事なのであった。無論、其れが元々どう云う過程でひと纏めにされた物かは伺い知れない。が、兎に角誰かの手に依って、一ヶ月ぶんの「伊勢だより」が集められていた事だけは間違いないのであった。
●そんな次第であるから、今回の一件で販売中止に追い込まれた赤福、再び販売が始められる暁に「伊勢だより」がどうなるか、私には非常に気になる事なのであった。若しかしたら「伊勢だより」にも日付が刻印されるようになっているのではないか。或いは全く新規のシリーズが始まるのではないか。
●然しネット上の報道に依ると、どうやら<<箱の中にはこれまでの四季の風景などを描いた「しおり」に代わって、おわびと改善内容を記した紙が入れられた。>>らしい。「伊勢だより」の復活は保留状態にあるようだ。
●然しそうなると、その「おわびと改善内容を記した紙」を是非集めたくなってしまうな。「伊勢だより」蒐集家は、これも蒐集せねばいかんだろう。其の紙には日付は押されているのかな。そうだとしたら、販売再開初日の今日の日付のモノは、是非欲しいものだな。誰かネットオークションに出してはくれまいか。
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